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スタッフblog「季の風」

   
 
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自主的な読書のきっかけ
2020-03-31
大学進学とともに関西から上京したわたしにとって、神保町はザ・東京という感じで、おしゃれな場所というイメージを持っていました(今もそうですが)。大学も区内ではなく、友人と出かけるのも立川~吉祥寺の範囲が主だったので、神保町が都内のどこに位置しているのか…ということも、恥ずかしながら最近知りました。
無縁の場所だと思っていた神保町で働いていることに自分自身がまだソワソワしながら、出社しています。
そんな神保町について、一つ気づいたことがありました。神保町にはたくさんの本屋さんがあるということです。
神保町駅から職場に向かうまでにある本屋さんを目にしながら、ふと思い出したことがあります。高校生の頃、国語(現代文)の模試に出題された小説の全文が気になり、小説を求めて本屋さんに買いに行っていたということです。初めて自主的に小説を読もうと思ったきっかけでもあります。中には、問題として出題されている部分からは想像もできないようなヘビーな内容の本もありましたが、模試を受けるたびに新しい小説を紹介してもらっているようで、なんだか模試が待ち遠しくなっていました。それまで読書をあまりしてこなかったわたしが、読書をするようすを見て、両親も驚いていました。きっかけを与えてくれた模試には感謝しています。
買った本は今でも実家にあります。高校生の頃と今では、読んだときの受け取り方が異なるんだろうなあと思うので、今度帰省したときには、久しぶりに読んでみたいです。
紀伊
 
国語教材制作ならあいげん社
2020-02-25
以前、取引先の方から、「国語でまとまった量をご依頼したいときは、まず御社が浮かびます」と言われたことがありました。
弊社では、社員全員が国語教材の制作を行うため、「国語教材制作ならあいげん社」と認めていただけるのは、うれしいことですし、これまで積み上げてきた実績の成果だと感じます。「これまでの積み上げ」というのは、私が入社する前もそうですし、入社後の日々も含まれます。
思えば、入社して最初の頃の私は、先輩方の原稿・編集術をひたすら学ぶ日々でした。何をどう、どこまで書いていいのか、周りが見えずに悩んでいたなと振り返れば思います。
そうしていくうちに、自分の中での教材作成の方法が見つかりました。それは、ひたすら完成形を思い描くことです。まず、子供の元に届く、そして解く姿をイメージする。そして、書くべきことややるべきこと、もしくはやらなくてもよいことなどを選んで執筆・編集する。それを、教材の進化に合わせて、思い描く完成形を少しずつ変えながら作り上げていった10年間だったように感じます。
入社から約10年。弊社への「国語教材制作への信頼感」を保ち続けながら、次の方々にバトンタッチできることに、安堵しています。
これからも、あいげん社の国語、算数、その他教材へのプロフェッショナルとしての活躍を期待しています。

寒梅
 
聴覚の影響
2019-09-05
 新たな職場では、一日中ラジオが流れている。実を言うと、このラジオが密かな仕事の楽しみになっている。そして思い出したのは、私がラジオをとても好きだったことだ。
 
 小学6年生の夏、初めて「自分の部屋」というものができた。当然、自由を得た私は勉強もせず延々TVゲームしていたわけだが、そのお供にしていたのがラジオだった。好きだった番組は数多くあったが、印象的だったのは劇作家を名乗る女性のラジオだった。あいにくインターネット環境もなかったので、その女性について調べることができず番組内で語られる内容しか知ることができなかった。よって「謎多き女性」というそのミステリアスな感じに()きつけられ、楽しみにしている番組のひとつとなった。番組は1年間の放送で終了してしまったので、非常に残念に思ったことを記憶している。そうしていつしか好きな番組がなくなってしまったことで、私はラジオから距離を置くようになった。
 
 そして時は()ち、大学では文学部に所属した私は、授業の課題や、趣味で小説を読むことが多くなった。教職を志していたため、読書量を増やさないと、と思っていたからである。そんな大学4年の冬、大きな文学賞発表のニュースを何気なく見ていたら、聞き覚えのある名前が聞こえた。あのラジオ番組の女性の名前である。衝撃だった。そして当時の思い出と、文学部なのに賞レース候補者すらチェックしていない自らの不肖さへの羞恥とが襲ってきた。そんな複雑な感情が一気にこみ上げてきたことにより、私は激しく狼狽(ろうばい)したのであった。
 
 それからというもの、私は真面目に近現代文学の勉強をするようになった。おそらく小説というものに向き合う必要があることを感じたのだと思う。今では知識も増え、いろんな読みの可能性を模索できるようになった。そんな成長のきっかけになったのは、大げさに言えば、ラジオの女性のおかげだったのかもしれない。
 
 そう考えれば、ラジオが私に与えた影響というのは、他のメディアよりも大きなものだったように思える。耳で得る情報というのは目で見るよりも、人の印象に残りやすいのかもしれない。
緑樹
 
紙の辞書を引く
2019-05-07
 この頃、仕事で漢字に関わることが多く、いつも漢和辞典を傍らに置きながら作業しています。高校のときにはもう、電子辞書にお世話になり始めていたし、最近はインターネットで調べれば大抵のことは分かるし、紙の辞書を使うのは、下手すると10年ぶりくらいかもしれません。
 
 紙の辞書といえば、私は小学生のころ、家においてあった国語辞典で遊ぶのが好きでした。国語辞典で調べたい語句を引き、その説明文に載っている単語を調べて、またその単語の説明に載っている単語を調べて……と続けていきます。自分の知っている言葉でも、辞書ではどうやって説明されているのだろう? と興味がわいて、いくらでも続けていられました。同じように、類義語が説明に載っていたら、その類義語を調べ、その類義語の説明に載っている類義語をまた調べて……と、類義語の類義語の類義語の……とやっていくと、最初に引いた言葉に戻ってくることもあって、それも面白くて辞書遊びを繰り返していました。
 
 調べたいことに関連したことをどんどん調べていく、というのは、今ならスマホでもできますが、ずっとスマホをいじっていると、なんだか無駄な時間を過ごしたような気分になります。やっていることは同じなのになぜなのか。辞典を引く面白さは、新しいことを知る、ということ以外に、辞典をパラパラめくって探していき、だんだん調べたい言葉に近づいていって、やっと見つける、という過程にあるのではないかと思います。スマホだと、調べたい答えがすぐに見つかって、その過程が楽しめません。紙をめくって探していく楽しさは、紙の辞書ならではだと思います。
 
 紙の辞書を久しぶりに使ってみて、その魅力を改めて思い出しました。
 
イヤホンのない朝
2019-04-25
新しい職場に来て、もうすぐ一か月が経つ。去年までは学校に勤務していたので、仕事内容がガラリと変わった。通勤方法も自転車から電車に変わり、毎朝満員電車の洗礼を受けている。電車を使うのは大学生以来だ。
 
学生時代、私の通学の必需品はイヤホンだった。電車の中で、音楽を聴いている時間が好きだった。たくさんの人に押しつぶされ、朝から気分の上がらない車内でも、好きな歌手の好きな曲を聴くとテンションが上がり、周囲の声や音を遮断して自分の世界に入り込んで、一日を始めることができた。
 
しかし、最近は音楽を聴かず外の景色を見ることが多くなった。イヤホンをつけなくなったのは、音楽アプリを開かずに、携帯の通信容量を節約したいという情けない理由だったが、慣れてしまえばイヤホンを持ち歩くこともなくなった。音楽の代わりに、楽しそうな高校生や大学生の話し声が聞こえたり、雨の日には車窓に当たる雨粒の音を聞いたり、私が思っていたよりも周りにはおもしろい音が溢れているんだなあとジワリと感じる。生活の音を聞きながら始まる朝も、なかなか悪くないと思うようになった。
 
学生時代は、少しでも時間があれば自分の好きなことやものに全てを注いでいたように思う。それしか目に入らない期間は、今の自分をつくるために必要な時間であったし、とても充実していた。しかし今は、少しずつ自分の周りのものに目を向けるようになった。学生時代は下を向いて携帯をさわる時間が多かったが、今は前を向いて、窓の外を眺める時間が増えた。
 
会社に向かう途中にある桜の花が、少しずつ散っていくのを毎日眺めながら、これが大人になるということなのかなあと思う。
梅福
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